これまで多くの候補者と面談してきましたが、意外と知られていないのがこの90 Days Planです。
インタビュープロセスにおいて「90日プラン」の提出をお願いしたのですが、どなたも意図がわからないで記載をしているケースがほとんどでした。
これを知っておくと他の候補者とは違うと思わせることが可能です。
また入社後の戦略としても有効です。
面接でも実際の入社後の活動でも非常に有利に進めることができます。
入社後90日(四半期)で結果を出すための行動プラン
90 Days planとは、
入社後90日(四半期)で結果を出すための行動プラン
と考えてもらえれば問題ありません。
世界で最も忙しい人間の一人が、米国大領領であることは事実でしょう。大統領は就任後「ハネムーン期間」という100日間の猶予が与えられます。支持率も高く、政策も受け入れられやすい期間ということですが、この最初の●●●日という概念が非常に重要になります。
大統領であるので100日間と10日程度余裕はありますが、多くのビジネスリーダー講習においても「90日間」という年間カレンダーのなかの大きな区切りにおいて、結果を出すことは常に求められます。
フォーマット自体は「90 Days Plan」とGoogleで英語検索すればたくさん出てきますので、いくつか参照されてください。
実践方法1:やっぱりゴールが大事/ゴール設定
常にゴールが大事です。
外資系営業で求められるレベルは
「90日後初受注を実現すること」
と覚えておきましょう。
これはセールスサイクル(初回アプローチから受注までに要する期間)が何か月であってもかわりません。非常に高い目標ではありますが、ここを1つのゴールとして設定するとよいです。
そんな無茶な!と思われるかもしれませんが、実際にハイパフォーマーは2か月程度で受注することもありますし、まったく非現実的ではないです。
設定するゴールは
おおよそ年間予算の1/4分受注
年間予算に対して3倍以上案件(ハイプライン)積上げ
などとするとよいでしょう。
常に「逆算思考」で考え、無駄なことをしない設定をすることが必要になります。
実践方法2:90日プランの中身作成
ゴールを設定したら、スケジュールに落とし込んでおおよそのアクションを決めましょう。
望ましいのは、だいたい以下のようなスケジュールとなります。
- 30日(最初の30日):アポ打診開始、ミーティングを重ねてとにかく案件積み上げ
- 60日(次の30日):積み上がった案件確度向上のためのアクション+継続的な案件積み上げ
- 90日(最後の30日):確度が上がった案件のクローズ(受注)+失注案件分析+他案件の確度向上+継続的な案件積み上げ
上記のスケジュールを見て「あれ?」と思った方は営業経験のある方でしょう。「マジ?」と思ったのであれば経験年数が高い方と思います。
なぜかというと、
入社当日からアクションを開始している
ためです。
これぐらいのスピード感をもっておくと他の同期入社の方との差も開くことができるでしょう。ダメなパターンは、入社後1か月製品や市場に関して調査を行うなどの理由でモタモタすることです。その逆を行きましょう。
したがって、
「最初の30日」の前に「事前準備期間」を設置する
必要があります。
実践方法3:重要なコツ=入社前にやるべきことはやっておく
そうです。いきなり90日プランの否定のようになりますが、実は入社後の90日ではなく、その前が重要となります。
外資IT企業の営業として成功するには、入社直後には
「あとは行動するのみ」
という状態をつくっておくべきなんです。
実際にDJも面接で「入社後はどのように過ごされますか?」という質問をすべての候補者に行いますが、
「入社後はまずは製品を覚えて。。。」
「まずは1か月程度でプランを作成してそれをマネージャーと合意してから。。。」
「社内システムや、製品、他部署とあいさつを済ませて」
という回答の場合、「ああ、厳しい環境でやったことないんだな」と受け止めてしまいます。
いきなりミーティングなんていって大丈夫か?と不安になる方もいらっしゃいますが、営業経験のある方ならわかる通り、アポ打診をしてもお客様側の都合があり、実際に設定されるミーティング日は次週や次々週になるのが通常です。したがって、入社第一週はまるまる顧客ミーティングが入らない場合が多いです。
事前に準備をしておくことで、入社1週間はFIT&GAPに使えます。
確定したミーティングに対しての具体的な提案段取り・紹介資料を探す(作成する時間ももったいない)などに効率的に使えるということです。
これも逆算思考です。
補足:事前準備内容
事前準備は、
- 担当アカウントの把握とアカウントプラン作成
- 担当製品の概念的な理解、ターゲット部署・業務、さらに提供価値の把握
- 実際の活動(ミーティングでのやりとりや提示する資料の中身)を想定して、ペイン(お客様の課題や問題)リスト、競合リスト、FAQやオブジェクションリスト
- LinkedinやEightなどで担当アカウントに在籍されるお客様へつながり申請
となります。
まずは担当社名の把握です。数十社ある場合もあれば数社だけの場合もありますが、担当アカウントを聞いてアカウントプランを作成しましょう。アカウントプラン作成においては、組織図把握や担当企業や業界傾向調査が必要ですが、そういった事前調査などは入社前にプランとして持っておくべきです。アカウントプランの中身については別記事で記載します。
次に製品です。深い技術的な内容は置いておいて、概念的にどのようなソリューションであり、ペルソナや対象部門はどこで、どういった業務をしているのか、さらにはどのような提供価値があるのか、なども聞いておきましょう。競合他社に移る場合は事前知識や人脈としてあるので、すでにこの準備は整っている場合もあります。
それから入社後の営業活動を想定した提案内容です。ペインは何か、競合はどこか、FAQ、想定されるオブジェクションは何か、等です。これも聞いてもらうことが最も良いです。それぞれについても別記事を書いていきます。
最後に担当アカウントについては、現職からEightやLinkedinなどでつながり申請もしておきましょう。
これぐらいの作業でも集中して行えば1週間程度で終わります。あとの3週間は有休消化を楽しむことも可能です。
まとめ
なぜか日本では誰も行っていない90日プランですが、やっておくと非常に効果性は高いでしょう。とくに90日で間に合わないな、と思えたら第一歩です。その前にどういうことがわかっていれば自分の受注確率をあげられるのかと考え始めるようになります。