転職に成功された外資IT営業の方は、新しい環境に身を投じることになります。
新しい製品、ルール、システムなど足回り関連で戸惑うことも多いでしょう。
ただ、こと営業に関しては経験してきたこともあるので、大きな自信を持っている方々もいらっしゃるでしょう。そういった方々には耳が痛い話かもしれません。
これまでDJが採用した外資IT営業パーソンで、すぐに結果を出せた人、出せなかった人を見てきた際に、出せなかった人にはある一定のパターンがあることがわかっています。
今回はその逆パターン、こうすれば失敗にならないということを伝えていきます。
早期立上げ策の1つは「捨てること」
前提として、新しい環境に入る前後において、それなりに準備が必要ということはあります。それらが整っているという状況において、立ち上がる1つの方法は、
「捨てること」
です。
「戦略とは捨てること」という言葉もありますが、今回は少し意図が異なります(戦略の場合は選択と集中、つまり無駄なことをしないということ)
どういうことかというと、
過去の成功体験や手法・ノウハウ、そういったものを一度まっさらにする
ということです。
営業経験が長い人ほど「捨てる」ことには勇気がいりますが、それに固執したまま、前職での成功体験をもとにそのやり方を進めると結果が出なくて終わるケースがとても多いです。
捨てた後に何をするべきか
新しい環境には新しい環境でのプラクティス(成功事例)があります。
さっさと
プラクティスに沿って活動をする
というほうが結果がでるのは早いです。
注意点としては、本社のEnablementチームや営業支援チームが提供するコンテンツは、残念ながら概念的なものが多いです。日本市場に使えないケースも多いのは事実ですが、その点も理解して、それでも内容については一通り把握しておいた方がいいでしょう。
もっともよいのは、先に入社している営業パーソンで、
結果の出ている方々に教えを乞う
ということでしょう。
これは1-2か月程度先に入ったような、同期入社に近いような相手ではなく、1年以上先に入社してかつ結果を出している相手です。
こういった方々は近寄りがたい雰囲気もありますが、社内の人間を落とせないようでは、社外のお客様は難しいと考えてみましょう。
継続的な現場担当者が持っている実践ノウハウは、言語化されていない場合も多くあるので、その点は注意しましょう(例:「どうやって受注しているのですか?」「俺もわからないよ。当たり前のことを当たり前にしているだけ)
失敗パターン:捨てることができないとどうなるか
これまで見てきた失敗ではこんなところです。
自分がやりたい領域・得意な領域に固執したばかりに、新しいサービスや製品が得意とする市場とのギャップが生じ、結果がでない
昨今のサービスや製品においてはどの企業もプラットフォーム戦略を持っており、複数の領域にまたがる機能性を網羅している場合が多いです。
より簡単にいえば、複数の部門やペルソナが使える機能をもっている、ということですね(これ自体は大きな問題ではないです。これも別記事でお話しします)。
これを誤解してしまうと、「機能としては具備しているが、市場で戦うには提供価値が弱い」を提案し続けてしまうことになります。
捨てた後に、より強靭になる
面白いことに、一度すべてを捨てて、新しいやり方を実行していると、「あれ?これは前にやっていない?」とか「ああ、だからあそこはこういうことなのか」と既視感を覚えることが増えてきます。
過去の経験や体験がちゃんと自分の中で血肉となり、言語化されていると、新しいことを学んだとき、点と点がつながり線になる、あるいは線と線とで面になる、ということが起きます。
この状態になると無双する始まりとなります。まずは捨てることから始めてみましょう。