日本語で信じるという言葉には複数の熟語が当てはまりますが、主に2つの言葉が使われます。
信頼:[名](スル)
信じて頼りにすること。頼りになると信じること。また、その気持ち。「―できる人物」「両親の―にこたえる」「医学を―する」
しん‐らい【信頼】 の解説 goo辞書
信用:[名](スル)
1 確かなものと信じて受け入れること。「相手の言葉を―する」
2 それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。「―を得る」「―を失う」「―の置けない人物」「店の―に傷がつく」
3 現在の給付に対して、後日にその反対給付を行うことを認めること。当事者間に設定される債権・債務の関係。「―貸付」
しん‐よう【信用】 の解説 goo辞書
日本語ではよく「信頼」という言葉が使われますが、ビジネスにおいては「信用」が大事です。
とくに2番目の意味「信頼できると判断する、その世間の評価」と、いわゆる英語でいうCredit(クレジット)を指す3番目の意味は重要です。
信用は作り出すことができる
信頼は非常に定性的で相手の受け止め方次第であり、勝ち取るのは難しいです。
一方、信用は定量的であり、自分次第で作り上げることができます。
例えば外資IT営業の年俸提示もそうです。
現職の給与、過去のキャリア、実績から「評価」されて、●●●●万円という提示が可能という「判断」がなされます。
実績数字、在籍企業、どんな工夫をしてきたかの経験、これまでの培ってきた人脈、そして過去の数字(つまり現職の給与)などから、「だいたいこのぐらいは達成してくれるだろう」という信用が生まれるためです。
次の転職先で評価をされるために「Credit」に当たる実績を積み上げていきましょう。
英語ですと「Get the credit for」という言葉がありますが、これは功績を認められる、手柄を立てる、という意味を持っています。手柄=Creditということも、面白い表現です。
信用は相手の銀行に貯めることもできる(信用貯金)
信用(Credit)という概念は、
ビジネスにおける人間関係でも使えます。
「お客様に信頼される営業になる」という目標はとても素晴らしいですが、何をすれば実現できるのかが何万通りもあり、難しいです。
信用を概念にすれば、
相手にとって利得になることを実現する
ということを考えれば、積み上げることができます。
つまり「信用貯金という口座がお客様の心にある」ということです。
この貯金がたまってくると、いよいよ使うときに大きな力となってくれます。
信用貯金を貯める方法
これは必ずしも難しいことをする必要はありません。
たとえば、常日頃のコミュニケーション系の施策です。
- お客様から着信のあった電話はなるべく出る。会話できない場合は折り返すと答える(自動返答SMSも有効)
- お客様から来たメールには、商談中以外は、できるだけ即レスを実践
- メールをフォーマット化し、読みやすい・わかりやすい書き方に変える
- ミーティング中に、知らない内容を質問されたら、「後で回答する」と答える
- ミーティング中に、お客様の発言はかならずメモをする
- お客様の依頼は、当日中に対応する
メールの返信はそれなりの内容の即レスを数回行うだけでも結構驚かれ、信用は増えます(つまり、それだけ、即レスができない人間が周りにいる、ということでしょう)。
他には、プラスアルファ提供系です。以下の資料を自分で作成してお渡しをするということも有効です。
- お客様の競合企業状況まとめ資料
- ITトレンドやバズワード解説などのまとめ資料
- 海外事例や海外トレンドのまとめ資料
- 自社製品事例のまとめ資料
付け加えれば、営業活動において
- 「お客様がお話しされた内容について、フレームワークに基づいて整理してまとめる
なども有効です。まだまだあります。
- 他社のお客様とのつながりを提供する
ということも使えます。営業も同じだと思いますが、他社の同じ立場や役職の方と接する機会は少ないです。そのため「●●社の事例面白かったね」というコメントがあればチャンスです。
まとめ
もともとお客様と人間関係を構築するのが苦手な方もいらっしゃるでしょう。得意な方であっても、たCOVID19感染拡大以降、面と向かって接する機会も激減したことで、自分の強みが活かせず頭を抱えているかもしれません。
「信用貯金を増やしていく」という考えはどの時代にもフィットします。今回のコラムで紹介した方法はwithコロナを踏まえて、バーチャルの世界で実現できる貯金施策ばかりですので、ぜひ実践してみましょう。