【営業活動の肝】初回商談を制する者は案件を制する/配分のコツを伝授【次はない】

入社後
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いろいろと大変な思いをして初回ミーティングへのアポイントを設定したことでしょう。

初回ミーティングは営業プロセスにおいて非常に重要です。

初回ミーティングがうまくいかなかったが、その後リカバリーを行って案件化したというのはほとんど聞かないためです。

初回ミーティングの肝はしゃべってもらうこと

お客様:営業の話す比率は、20:80

初回ミーティングが60分であれ30分であれ、8割方は質問と討議に費やすように段取りましょう。

こちら側の質問とお客様の回答が一問一答式に行われる、ということでもよいですが、それですと尋問形式になってしまいます。営業側からさらに深堀したり、やり取りの途中で発生したお客様の疑問点も解消したほうがいいでしょう。そのため討議なども入ります。

お客様にとにかくしゃべってもらうようにコントロールする

ということです。

ほとんどのお客様は正しい質問をすればちゃんと回答をしていただけます。

どのような質問をすべきか、などはSPIN Sellingを活用しましょう。

もちろん中には保守的で口が重いお客様、社内事情を漏らさない方もいらっしゃいます。その場合は率直に言いづらい状況にあるのかを聞いて、いろいろな角度から質問を重ねましょう。

60分のミーティング配分の例

60分のミーティングであれば、大まかな配分としては、以下です。

  • 最初5分程度:挨拶やアイスブレイキングなど。遅れて参加する場合もあるので、余裕を見ておく
  • 序盤10分:お客様の状況確認の質問を行う。中計から推測される中期方針、取り組み事項や課題、表面的もしくは顕在化している問題のヒアリング。営業側の質問が主体。
  • 序盤5分:自社紹介。ポイントだけをまとめて話す。デモが重要な製品であれば、この5分間に簡易的なデモも挟む。
  • 中盤15分:お客様のご質問に対する回答。討議開始。
  • 終盤20分:引き続き討議を進めていってよいが、MEDDICやValue Selling項目に関する深い質問、深堀の質問を行っていく。
  • 最後5分程度:まとめ/ラップアップ。認識齟齬がないかの確認と次のアクション取り決め

 図にすると以下のような配分となります。

なぜ多くしゃべってもらわないといけないのか

複数の方から、なるべく多くの情報を引き出すことが必要

端的に言えば、法人営業商材購入には、

複数のステーホルダーが論理的かつ妥当性ある意思決定をしていただかないといけない

からです。

B2Cであっても、個人の感情が購買動機の大きな比重を占めますので、印象に残るための宣伝や感情への働きかけが重要になり、メッセージングの方向性には多くのリサーチやユーザー聞き取り調査などが実施されます。

B2Bでは相対している窓口の方だけで物事は決まらないので、その方から会社の状況、課題を聞き、問題を特定して、論理的な提案をしつつ、意思決定がどのように行われるのかについても明らかにする必要があります。

そのため、B2Cに比べて比較的数多くの角度から質問をする必要があります。

会社や製品紹介は必要ない?

興味のない話を聞くのは、3分が限界

会社や製品紹介は短くていいんでしょうか、と思われるかもしれません。

外資系ですと会社から「こういった会社紹介と製品紹介をしてください」というセールスピッチを最初に学ばされることがあります。

これはこれで必要な基礎知識としては使えますが、だいたい時間で20分程度、下手すると30分の長さになります。

興味のない話を聞く限界は、3分です。

皆さんもYouTube動画などで20分間の動画をずっと観ていることは可能でしょうか。TEDプレゼンテーションや映画のように、セリフや映像が緻密に計算されているコンテンツであればよいですが、20分たったころには最初の10分間の内容など覚えていないでしょう。

漫才ですら、M-1で4分、劇場でも6-8分程度と聞いています。

興味半分のトピック、話し方もプロでない人間の話を20分間聞く、というのは非常に苦痛です。

営業が一方的に話す時間は5分程度

したがって、会社や製品紹介は5分程度で問題はありません。

営業が一人で勝手に話すパートは短ければ短いほどいいのです。お客様も頭の中で、5分程度の内容で複数個質問が浮かんでいます。

そのあとに質疑応答の時間をたっぷりと取っています。

お客様から関心のあるトピックで質問をいただけ、それを回答する(インプットする)

というだけで満足度や定着率が高い、効率的な対話にすることができます。

もし「この点だけは今後の意思決定で重要そうだ」という内容があれば、あとで付け加えればいいのです。お客様視点で無駄になることはやめておきましょう。

質問は失礼?

情報を取るための質問ではなく、対話をスタートさせるために行うのがの質問

「打合せ」がお互いのリズムを合わせるという語源を持つとおり、ミーティングはお互いの認識レベルを合わせるものです。

逆に言えば、こちら側が一方的に紹介して「はい100%理解しましたね、検討を進めてください」というのはかなり乱暴です。

慣れていない営業ですと、質問をするのは怖いなあ、こんなことを質問してもいいのかな、怒られないかなという恐れを抱く場合もあります。DJも新人の頃はそうでした。

ですが、

質問というのは会話をスタートさせる重要な行為

です。

日常でも普通に行われる行為ですので、どんどん質問をぶつけましょう。

怖さは準備と聞き方の工夫で解消

質問が怖い人ほど、ヒアリングリストを準備する

質問はあくまで対話のスタートですが、もちろんそれだけではない質問も多くあります。

SPIN sellingValue Based SellingのOPCですね。

質問が怖い人の多くが、

正しい質問をしていないので、”なんでそんなこと聞くのか”と怒られるかも

という恐れをいただいているためではないでしょうか。

相手にいろいろ聞くことは怖いという方は、まずは聞くべき内容をまとめた初回ヒアリングリストを作成しておきましょう。リスト化をしておけば、抜け漏れを避けることができます。また意外と60分でも短い場合がありますので、余計な質問をしないことが肝要です。

聞くべき内容とは欲しい回答が裏返しにあります。リストがあるだけでも「正しい質問」といえるでしょう。

必要なことだけを聞くための初回ヒアリングリストを作成し横においておく

それでも怖い人は、聞き方を工夫する(枕詞集や、ノートの文面から抜粋)

もちろん矢継ぎ早に相手に質問すると、尋問のようになってしまいます(よくある、圧迫面接もそのたぐいではないでしょうか)。

質問される相手は、「なぜそれを聞くのか」という意図がないと、どのような回答を用意すればいいのか分からず、混乱します。

お客様の立場であえば不快に思う方もいるでしょう。

また自分が回答した内容に対して理由を聞くことも相手を戸惑わせます。英語のコミュニケーションでは普通ですが(Whyのあとに、becauseで理由を説明するロジックに慣れている)、日本語では「なんで?」と聞かれたら、結構止まります。

そのため、その前に何かしらの言葉(=枕詞)を一回挟んでから聞いた方が、質問されたほうも回答しやすいでしょう。どのような一文を付け加えると聞きやすいかについては自分でも集めておきましょう。チームの中で集めてることを推奨する営業支援会社もあります。

一例としては

「事前準備はしてまいりましたが、御社のことを正確に理解したいと考えております。●●●については。。。」

「差し支えない範囲でのご回答で結構でございますが。。。」

「先ほど別のお客様から聞いた話で恐縮ですが、御社では。。。」

「弊社製品は●●●●に対してライセンス課金されますので、質問可能でしょうか。●●●●は年間どの程度の頻度ございますか」

などです。

意外とこんなことも聞いてしまっていいのだろうかという内容がでてくることもあります。

とくに「なぜその質問をするのかを説明しながら、質問する」という手法も相手に論理的に回答させる一拍効果があります。

枕詞がない状態で使えるテクニックは、

ノートに記載のあるお客様の言葉を見ながら

「さきほど●●●とおっしゃっておりましたが、これは。。。」

と付け加えることです。

DJは昔の鬼軍曹上司に教えていただきました。

質問の前に聞きやすい言葉(枕詞)集を作っておく(集めておく)

質問は一度で終わらせない

営業の質問 → お客様の回答 → 営業の質問の繰り返し

Value Based Sellingでも同様でしたが、質問は一度で終わることがありません。合っているかどうかを確認する確認質問以外でも、何度かのやり取りを行う必要があります。

お客様が質問し、回答した後に、さらに背景を確認する

ということです。

たとえば、

営業「●●●はいかがでしょうか」

お客様「▲▲▲ぐらいですかねえ」

営業「●●ということでしょうか、背景についてもう少しお聞かせいただけますか」

などです。

ご質問の意図を確認することは営業活動においても重要であるため、このやり取りリズムも併せて実践をしましょう。

お客様の質問 → 営業の回答 → 営業の質問 → お客様の回答のパターンも

初回ミーティングでは、紹介時間はあえて少なくし、討議時間も設けています。

そのため、お客様の質問から対話がスタートされるケースもあります。

この場合も

かならず背景や意図を確認する質問

をするのがいいでしょう。

単純な個人的な興味で行った質問なのか、製品検討に重要な要素を確認したくて行った質問なのか、受け手側は回答しただけではわからないためです。

まとめ

60分の多くを質問で埋めることは、意外と難しいことです。事前準備の上、会話の響きあいを段取りすることをこころがけ、案件進捗に必要な情報と確認を進めていきましょう。

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