MEDDICにおいても、おそらく営業活動すべてにおいても最も重要なのが
Champion(チャンピオン)
です。
ほかのフレームワークにおいてもチャンピオンという言葉は使われるぐらい、重要な要素(ヒト)です。
理由は存在しているかどうかによって、案件の進み具合とスピードが段違いに異なります。あるいは案件化するか、しないかの分水嶺でもあります。
DJ自身もChampionの存在に何度も助けられた思いがあります。どの金額でもどの商材でも、かならずChampionの存在が必要になります。
Championは自社製品の「ファン」ではない
営業活動では断られることが多いため、とくに自社ソリューションに高評価をいただける方がいると神様のように感じます。
営業としても、自分が販売している製品がいいものだと評価してもらったら自信も生まれますし、うれしいでしょう。
しかしながら、いったん冷静を保ちましょう。
最近はProduct Led Growthからさらに発展して、Community Led Growthという概念もあるぐらい、ソリューションへのユーザー評価は、企業成長においてとても重要視されます。かなり乱暴に言えば「営業が介在しなくても、ユーザーが勝手に使って買われていく」ということを双方の概念ともにメッセージングしています。
ですが、今働いている企業や今後転職をする企業が営業職をRoleとして持っている、募集しているということは、製品の良さやCommunityの力だけでは、継続した成長が見込めないということを暗に示しているのです。
B2Cであれば、製品の魅力だけでデジタル世界で認知をあげて売ることは可能ですし、むしろそれが主流となっていますが、B2Bでは「単に製品に熱狂的な思いを持っているユーザー」=Fan(ファン)だけでは売れないのです。
そこでChampionの登場です。
コーチとも混同しない
また、営業活動をする際に、社内事情についていろいろと教えてくれる人もでてきます。
「●●さんは弁が立って社内でのリーダーシップもあり、ついていく人も多いんですよ」
「役員の●●さんはかなりやりてだけど、こわもてで社内でも恐れられている」
「うちは専務がいるけど、実はNo.2ではなくて、社長と執行役員の●●さんとが前の部署からの先輩後輩の関係で、よく一緒にいるんだよね」
などです。
こういった人が自社製品についても熱狂的であると、Championと誤解しがちですが、実はこれはCoach(コーチ)といいます。
こういった人たちに「では執行役員の●●さんに承認を取りに行きましょう」というと、とたんにお茶を濁されます。今はタイミングではない、自分の業務が忙しい、予算がない、など言い訳が出てくるのです。
営業としてやってはいけないことはこういった方々に振り舞わされて、限られた時間を浪費してしまうことです。
Championと判断する2つの見方
「自分(営業)の代わりに社内営業してくれる人」
まず1つ目の定義はこれです。
「いい製品ですね!」「たくさん使っていますよ!」というだけではなく、「横にいる●●部署にも紹介しておきましたよ!」など横の連携を使って横展開してくれる人です。
もちろん待っているだけでは相対している人が1つ目の定義に当てはまるかどうかがわからないので、質問をしてきましょう。製品に満足しているという回答がでれば
「ほかの部門に紹介をすることはできますか?」
などの質問をすればよいでしょう。
「社内政治力を持つ人」
2つ目の定義は、こちらです。
そもそも他部署に自分の好きな製品を紹介できるという技を使える人は、社内政治力を持っているポテンシャルがあります。
横のつながりが確認できてら、次は上のつながりです。
「今度自分の上司の同席させるので事例など紹介してください」
「社長との定期的なミーティングの場もあるので、都度都度御社のソリューションについてインプットしています」
など、上層部とのハイプを使って縦展開してくれる人であれば、完璧です。
この場合の確認方法は、
「上司(執行役員)とどのぐらいの頻度で会話されますか?」
「取締役(3段上ぐらいの上司)はどのような人となりでしょうか?」
などその方がどの程度上層部と面識があるのかを確認する質問がよいです。
上から可愛がられている優秀な人材というのは、役職がない担当者でもいる場合がありますので、うまく聞き出していきましょう。
どちらが先?製品への思いか、社内政治力か?
営業活動の最初では、2つの定義のうちどちらかしか当てはまっていない場合があります。
ではどちらを優先すべきでしょうか。
DJなら、確実に2つ目の定義「社内政治力を持つ人」と挙げます。
理由は、Championの育成において、自社製品を好きになってもらうことは可能だからです。
逆に言えば、社内政治力構築は、ベンダー営業の僕らからしても実現はしません。営業がお客様と対峙しているのは活動のほんの一部であり、コントールをすることは難しいです。
すでに政治力を持つ人が製品についても評価いただけるようにしていくほうが、より効果的です。
政治力を持っていそうな方、という観点で探すと、おおよそ役職がついている人が多いため、人事情報などで見つけやすいということもあります。
まとめ
社内政治力を持つ人が、自分の代わりに自社製品を社内販売してくれたら、これほど素晴らしいことはありません。うまくChampionを発掘、もしくは育成をして案件確度をあげていきましょう。