別の記事で書いた転職したい本音はもちろんあるのですが、それとは別に
第三者から客観的にみて妥当性のある転職理由
というものは必要となります。
面接官の考えやタイプによりますが、「なぜうちに入社したいのか」という志望理由はかならず必要になってきます。現職を離れられればどこでもいいんですという候補者よりは、ある程度明確は入社理由がある候補者を選ぶでしょう。
志望理由の内容によりますが、その希望がなぜ現職では成し遂げられないのか、という説明も必要です。もちろん特別な理由がない限りは、現職に対するネガティブな理由を避けて述べるべきでしょう。
説明すべきは「面接官が受け入れやすい理由」と「ロジック」
採用する立場からすると、以下のロジック(3段論法)が最も受け入れやすいです。
- 現職で与えられた業務をきちんとこなしてきたが、別のやりたいことが出てきた
- 別のやりたいことは現職ではどうしても実現できない
- それが実現できる会社(貴社)を志望する
候補者と面接官の間には、常に情報非対称性が発生しますので、3.についての作りこみが間違っている「うちではそれはできないよ」と突っ込みを受ける可能性はもちろんあります。
逆に言えば1.や2.については面接官は知る由もないといえます。
1.別のやりたいことがでてきたという理由
具体的な理由としては、「自分のスキルが向上した」「レベルがアップして視点が変わった」という自己アピールにもつながる内容がよいでしょう。
たとえば、「自社製品の領域はほとんどマスターしており、別領域に進みたいと考えている」という理由。別記事でも出した、1つの上の領域を目指していく必要があるということですね。
もしくは「担当者としては最大限の実績は出していたが、チームマネジメントに向かっていきたい」という理由もありです。注意点は「今の会社で目指せないの」という突っ込みが考えられますので対策を考えておきましょう。
ある程度ストーリー性をもって話ができるとより手触り感をもってできると思います。
2. 現職では実現できない理由
これは比較的簡単にできるでしょう。
製品面であれば、特定領域のみであることがそうですし、人事面であれば、「掛け合ったが、まだすぐにはマネージャーになれない」ということがあり得ます。この場合は「なぜなれないのか」という理由を追加すればよいです。「明確な回答がなかった」「しばらくはマネージャーのポジションは生まれない」などとなります。
3. 実現できる会社(貴社)を希望する理由
これは大きなズレをなくすため、事前調査が必要になります。
ただし、細かいギャップであれば問題ありません。
外資IT企業の場合、情報が少ないため、おもにホームページから読み取れる情報から作りこんでいきます。えてしてホームページには情報がわかりづらく記載されていますので、以下をポイントに見ていきましょう。
顧客事例・ユースケース
これはプレスリリースなどからも集めることができます。Google検索で「(企業名)」「事例」などでニュース検索をすれば、でてきます。
なぜこれが重要かというと、どの部門向けなのか、どのような価値を提供しているか、などがよくわかるためです。また、候補者でちゃんと事例を見ているケースはあまり見受けられないため、「ちゃんと調べたうえで志望しています」という自己アピールにもなります。
1つではなく、最低10ケースぐらい見ておくとよいです。
ソリューション
事例と合わせてみておくと理解が深まるのが、ソリューション一覧のページです。事例では導入部門と価値などがわかりますが、それがどのソリューションで実現したのかという観点で見ていきます。単一ソリューションである場合は少なく、複数ソリューションを展開しているのが常ですので、それぞれどのようなソリューションがどの部門に入っているのかを確認します。
ロジックの一例
たとえばですが、
- 現職ではインフラ領域の製品を扱い、省力化やマイグレーションに寄与してきました。お客様は今現在トランスフォーメーションという課題を持っており、その領域の解決支援をしたいと考えるようになりました。
- しかしながら、自社製品のカバー領域では直接的な解決支援できないことがわかりました。会社のエンジニアとも相談しましたが、当該領域への製品開発はロードマップ上にも載っていないとのことです。
- 貴社製品は自分が考えるトランスフォーメーションを具体的に実現するものであり、志望しましたた。
というような流れです。
製品にこだわる必要もなく、どんなことでもよいです。「自社に迎え入れたらモチベーション高く働いてくれそうだな」ということがわかる内容であれば問題ありません。
実際のこのロジックを使って志望企業からオファーをもらった20代の方は数名いますし、DJもこれで通ったことが多いので、これが最もよいでしょう。
もしさらに突っ込まれたら
ただし、ロジックが甘いと「本当かな?」と思って突っ込んだ質問やオブジェクションをしてくる場合もあります。
これは別記事で記載しますが、今の段階ではそこまで考える必要はありません。おおよその自分の本音とともに、こういう仕事をしたいなというところが具体化されて、誰が聞いてもロジックが通っている内容であれば問題ありません。
心配な方は一度ノートなどで作成したのちに、自分で面接官としてどのような突っ込みを入れるのかを考えましょう。作成するとパターン化できますので、かなり時間を節約することができます。
ちなみにですが、DJが面接を行う場合、相手が20年選手が多いため、このロジックではなくて「現職の何が嫌なのかを正直に話せるかどうか」を見たりもします。
まとめ
面接官も歴戦の強者ですので、だいたいどういう本音なのかよくわかっています。重要なのは受け入れられやすい理由をロジックとともに明確に説明することです。
本当にできるのかという疑問は、何をしてきたかという別の時間帯の質問にされますので、わかりやすい形で説明すればよいです。