B2B営業においては、常にお客様の課題解決支援、施策実現支援の提案を行っています。
導入においてはROIや想定価値を作成し、効果があることを実証しなければいけません。
もちろん競争もあります。最後は価格勝負として納得感のある提示をする必要があります。
ですがそれらと同じ行為は競合他社の営業も、自分と同じレベルで行っていると常に考えておく必要があります。では、価格や製品以外で何が決め手になるのでしょうか。
結局最後は人。政治が勝つ
先ほど価格、製品と合わせると「人、モノ、カネ」の観点があるとしましょう。これが競合状況において主に取られる戦略のいづれかです。
モノは製品の機能性などになります。カネは低価格戦略。人は人的リソースという量の面と営業パーソンの品質という質の面などになるでしょう。
このどれが一番強い戦略となるでしょうか。答えは明白で、人=つまり政治戦略です。
政治で負けることは非常に多い
DJも経験があります。既存の製品の置き換えを狙ったさいのことです。
既存製品への現場の評判はすこぶる悪く、契約更新のタイミングに来ていました。複数年契約が当たり前のITソリューションでは、待ってもないチャンスです。こちらが提案した製品は機能面で優位性もあり、価格では大幅とは言わずともそれなりのメリットが出せるものを提示できています。
あとは稟議申請するのをまつだけという段階において「待った」がかかりました。
既存製品のA社がお客様の経営層に働きかけ、既存製品を継続採用することが決まったのです。彼らが特にすごい戦略を仕掛けていたわけではなく、スイッチングコストの大変さと経営層への働きかけだけでした。
幸いにも複数年契約の継続採用ではなく、単年更新であっため、次年度に再チャンスがあるわけですが、本年度で受注を見込んでいたDJからすると悔しくて夜も眠れませんでした。
人は人から買う
考えてみれば、本ブログで紹介しているフレームワークも「人」に焦点を当てているものばかりです。
MEDDICは以下の関係図であり、Economic BuyerとChampionが重要です。
Value Sellingは、Authorityの確認だけでなく、Business ValueだけでなくPersonal Valueも確認することを説いています。
B2B営業と考えるとどうしても論理性や妥当性のロジックが目をむきがちですが、結局
最終的な意思決定は数名のステークホルダーのみで行われる
ということです。
弱者であれば一点突破が有効
すでに参入しているベンダーや、役員すべてと懇意にしているメガベンダーに対して、新規参入で勝つには、このポイントをずらさないことです。
逆の見方をすれば、重要人物さえちゃんと掴み、その方々のPersonal Valueに沿った提案を行えば、勝率はかなり上がるということになります。
1名の営業でも、一点突破を行うべきポイントさえ見誤なければ、勝利を手にすることはできるでしょう。